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「相変わらず、なんもねぇのな。お前の部屋」
真っ白な壁、床、天井。
リビングの真ん中には、天板がガラスでできた、黒いローテーブルが置かれ、壁際では、白い台の上で、真っ黒なテレビ画面が潤んだように光っていた。
背の高い窓に掛けられた黒いカーテンは、上から下まできっちりと閉められている。まるで、外からの音も光も、全て突っぱねるような、強い威圧感を放っていた。
男の家は、白と黒でできている。男が身につけるものも、ほとんどが白か黒。
そして、男自身も、白と黒でできている。
初めて男の部屋へ来たとき、この男は、ここに溶け込むつもりなんじゃないかと思った。
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