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寝室のドアが開いた。
部屋へ入ってきた男のほうへ、顔を向ける。
乾ききっていない黒髪が、水を含んだ重みでまえに下がり、ただでさえ分かりづらい男の表情を、更に分かりづらくしていた。
それでも、男がにこにこと笑っていないことだけは、はっきりと分かった。
男は、風呂に入るまえと変わらない格好をしている。
黒の細身のパンツに、真っ白なシャツ。
ただ違っているのは、足元が裸足になっていることと、シャツのボタンが全て外され、前が全開になっていること。
そこから、男の白い肌が覗いていた。
ピッ。
小さな音が鳴り、部屋が薄暗くなった。
「もうちょい明るくしろよ。顔、見えねぇだろ」
顔をしかめた男の手から、リモコンを取り上げた。
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