3.数十分ぶり。

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 初めて会ったその日、男はオレを持ち帰り、そして抱いた。 「小柄で可愛いですよね」 「はぁ……」 「俺、黒髪の子タイプなんですよ」 「はぁ……」  男はこういうことに慣れているのか、人見知りをしないだけなのか、全く緊張しているようすがなかった。  オレはたくさんの色がある男の部屋に、少し眩暈(めまい)がしていた。  この男とは、生きる世界が違うように感じた。
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