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テーブルにマグカップを置き、手に取ったスプーンを赤色のソースの中に沈める。
スプーンの上に、とろりとした赤い粘液を載せた、つやつやの白い物体が載った。
「どお? うまい?」
「たぶん」
初めて食べる、味、食感。
でも、きっと、たぶん。
うまいんだと思う。
「そっか。こっちも食っていいよ」
コーヒー色の粉がかかったものを、オレのほうへ少し押しながら言った。
粉の下には、白と茶色の層ができている。
ひと口すくって、口へ運ぶ。
「うまい?」
あ、たぶん、これ、うまい。
「たぶん」
もう一度スプーンですくい、口へ運んだ。
「そっか」
男は嬉しそうに言った。
オレの腹は、二つとも半分以上残して限界になり、
「腹いっぱい」
マグカップを両手で包み込んだ。
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