4.午前三時。

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 ふと、肩に重みを感じた。  上からぐっと押すような、突き刺すような重み。  肩に(あご)を載せた男が、 「タバコちょーだい」  少し覗き込むようにして言った。  咥えていた煙草を指に挟み、甘えた声を出す男の前に差し出した。  男は少しだけ身を乗り出すようにして、煙草を咥えた。    指先に、男の唇が触れる。  耳元で、軽く息を吸う音が聞こえ、すぐに吐き出す音が聞こえた。  わずかに長さを小さくした煙草を咥え、仕事のことをぼんやり考える。  少し寝るか、それとも、徹夜をして一気に片付けるか。  眠気のせいか、微妙に眩暈(めまい)がする。  ただ、「今日中に」と思っていた分が、まだ終わっていなかった。  灰皿に煙草を押し付け、火を消した。    (りん)とした冷たい空気が、少しくらいは、眠気を覚ましてくれたんじゃないかと期待していた。
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