4.午前三時。

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「仕事終わったら、セックスしよ?」  赤いきらきらの声で、男が言った。 「は? お前はサルか」  こいつの頭の中には、ヤることしかないんだろうか。    男は嬉しそうに、オレの頬に軽く唇を当てた。 「お前にずっと、言いたかったことがあるんだ。……だから、しよ?」  きらきら、きらきら、うるさい声。  遠慮(えんりょ)なくぶつけられる、(まぶ)しい声。  会話を断ち切るように、口に付けたマグカップを傾けると、男がいきなり喉に吸い付いてきた。 「ちょっ、こぼれんだろっ!」 「ベッドで嫌っちゅうほど言ってやる」 「うぜぇ」  眩しんだよ!   お前のその、赤くてきらきらの声が。  心が動かなければ、傷付かない。  穴は空かない。  痛まない。    だったら、そのほうがいいだろ?  オレはこの、白と黒の空間に溶け込んで、消えてしまいたいんだよ。 『無』になりたいんだよ……。  だから、そんな……。  きらきらの声、ぶつけてくんなよ!   眩しんだよ……。  お前のその、赤くてきらきらの声が……。  オレには、眩しすぎんだよ……。  お わ り
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