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集落の中に入ると、村人たちがポワールの無事を喜び集まって来た。
「ポワール様!」
「ご無事でよかった」
「勇者様、本当にありがとうございます!」
実際は助けるどころか助けられた側なので、感謝されてもどう返事をしていいかわからず戸惑う私たち。
「……あなた方、勇者様だったのですか?」
彼女からすれば、トロール如きに騙されそうになっていた間抜けな旅人たちがまさか勇者御一行様だったとは信じられないだろう。
「お嬢様!村長と奥様が心配しておられます。さあ、お屋敷へ」
村の騒ぎを察知してやってきた使用人が、ポワールと私たちを屋敷まで来るよう促す。
「心配かけてすみませんでした。待っていてくれて、ありがとうございます」
彼女は申し訳なさそうにニコッと微笑むと、村人たちの姿が見えなくなるまで手を振りながら屋敷へと続く坂を登って行った。
彼らも下から大勢で、ポワールが無事に屋敷へと入るのを見届けていた。
肖像画そっくりそのままの美貌……あれだけみんなから絶大な人気があるのも頷けるわけだ。
私だって負けてないと思うんだけどな……
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