3人が本棚に入れています
本棚に追加
俺は瓦礫町で生活していたホームレスだ。
大した才能は無い。ただちょっと宇宙人と交信できるだけだ。
だがそのちんけな才能が、最近厄介なことを巻き起こした。
突然目の前に宇宙人の円盤が現れたかと思ったら、中にいる宇宙人が、調査のためにひまわりを大量に寄越せと言ってきた。
出来なければ人類の半分をキャトルミューティレーションだ。とも言われた。
俺は頭を抱えた。
花を買う金などない。このご時世、自然世界に花など咲いていない。
俺は地球の悲惨な未来を覚悟した。
だが先日。突然瓦礫町がひまわり畑と化したのだ。
宇宙人は相当喜んだのだろう。ひまわり畑の中心をごっそり持っていき、俺に立派な小屋をプレゼントしてくれた。
天井は低いが、雨風は凌げる。造りも頑丈だ。
この才能も捨てたもんじゃないなと、俺は自分の才能を誇らしく思った。
この小屋のことはホームレス仲間にはまだ秘密だ。もう少し一人で、このひまわりを堪能していたいからな。
最初のコメントを投稿しよう!