藍色の夢

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 ***  疑念と葛藤を抱えたまま、家族や一族の方々と接した後。  あの返答は正しかっただろうか。  あのふるまいは、間違っていなかっただろうか。  などと、己の言動に迷いが生じることが、たびたびあった。  お祖父様は、私の揺らいだ霊力を感知なさると、「教えを施す」という名目で我が家へお越しくださった。  ある時には、 『──そなたは、頭で考え過ぎる。相手の思いを受けとるのは、ここだ』  私の胸を指し、言い聞かせるように、 『心で考えよ』  と仰った。  ***  心で考える。  その真の意味は、いまだにわからぬ。今宵、何かが変われば、わかるだろうか。  私は神使の方を見つめた。 「あなたをここへ呼んだのは、そういう訳。今夜なら、あなたの負担は少なくなるはずよ」  神使の方は気遣わしげな表情をなさった。  私の負担……というのは、陰陽の(ことわり)に則ってのことだろう。  神界の方が大いなるご助力をくださる時、対象が童であれば、九歳の誕生日当夜をお選びになることが多いという。  〝九〟という数字は〝神の領域〟を示す。また誕生日当夜は、それまでの古い殻を脱ぎ捨てた無垢な状態だそうだ。  童のうちは神の子  と言われてはいるが、持って生まれた〝気〟の力は様々。童自身の〝気〟が弱ければ、神気にあてられてしまう。よって、無垢な魂が〝神の領域〟にある九歳の誕生日当夜は、神界の方とつながるには最適の日と、お祖父様から教えていただいた。
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