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ちらほら生徒の残る教室には課題を忘れて居残りさせられている男子生徒や、地面に落ちた飴にたかるアリのように、隅の方で恋バナに花を咲かせている女子生徒たちがいた。 いつもならホームルームの最後の挨拶後、すぐに教室のドアを出る私にとってこの光景は珍しい。 帰ったはずの私が靴を持って静々と教室に戻ってくることも珍しいが。 それにしても、かなり経つのに戻ってこない哀はどうしたのだろうか。流石にそろそろ限界がくる。 どうせ哀のことだ、着替える途中で友達とだべっているに違いない。 明るくて積極的な哀は、友達も多い。 一緒に教室移動をしていても哀のせいで授業開始のチャイムと同時に教室につくことも日常茶飯事である。 スマホをポケットに入れ、溜息をつきながら立ち上がった私はトイレへ向かった。
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