お家に帰りましょう

「はあああ？何を言ってるんですか？浪花節で市政をやってもらっちゃ困ります。少額だろうと、高額だろうと税金は税金です。効果のない事業に税金を投入する理由はありません。それに、どうして毎年、田中電気が請け負っているんですか？癒着？義理人情で仕事してると、そういう疑念も出てくるんです。そういうわけで、改革見直しリストの中に、この「夕べの放送事業」も追加させていただきます」

　悔しいが、黒崎の言っていることは正論だった。
　口下手な神山は、比喩ではなく、本当にぐうの音も出なかった

★★★★田中社長へのお詫び★★★★

「社長、そういうわけで、もしかしたら、この夕べの放送自体がなくなるかもしれないんです。そうしたら、社長の所に委託していた整備作業もなくなるかもしれません。いままで採算度外視で整備をやってくれた社長に失礼なことだと思っています」

　神山は電話機に頭を下げた。