お家に帰りましょう

「ええ、テレビでもずいぶん取り上げられてますね。たしか、若い時に相当苦労されたとか。派遣切りにあったり、コロナ禍で失業したりとか、苦しくて自殺も考えた時もあったそうですね。だから、労働者や弱者の気持ちを、しっかり理解してくれる立派な市長だと聞いています。市役所を改革して、無駄を削って必要な所に税金を投入すると公約していた市長ですよね。神山さんたちも大変なんじゃないですか？」

「ええ、結構、大変なんです。先日も、市長直属の特別改革チームがうちの課に来たんですが、その時に色々指摘を受けまして…。彼ら、市長が選出した弁護士や学者のチームで、容赦なく役所の事業をしらべていきました」

神山は社長にも聞こえるようなため息をつきながら当時の状況を説明した。

★★★★特別改革チーム・黒崎★★★★

「それでは次に、こちら事業についてですが、この“夕べの放送”とはなんですか？」