月暈

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舞い落ちた桜も地面へと還り、気付けば彼女との出会いから2ヶ月が経っていた。 じめっとした風が吹くある夜。 薄い雲がかかった満月は、歩道橋の上を歩く2人の人間を照らしていた。 そんな2人を僕は階段の下から見守る。 月影によってその者たちの顔を見ることが出来ないが、片方が桜であることは分かっていた。2人は僕のいる階段の方へと歩を進める。 気付かれないよう、僕は急いで陰に隠れた。
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