68人が本棚に入れています
本棚に追加
「ああ、ここお気に入りなんだよね。
俺、20代のころメキシコ料理店を妻と一緒に飯田橋で開いてたんだ。」
そう、俺は20代後半の時にメキシコ料理を営んでいた。
当時はそこそこ上手くいっていた。
「じゃあ、メキシコ料理作れるんですね!」
「その当時はね、いまは忘れちゃったけど笑」
菜穂は目を輝かせながら、
「わたし、メキシコ料理とか、タイ料理好きなんです。しかもこんなに雰囲気のいいお店だし、素敵ですね!」
その台詞は何人もの女に言われてきた。
「ありがとう、菜穂ちゃんが気に入ってくれるなら嬉しいよ
菜穂ちゃんならいっぱい色んなところ男ときてるんでしょ?笑」
「正直、神楽坂のお店は同伴で行くことが多いですが、いつも自分が決めてるんで同じお店に偏ってますよ!笑
ここのお店、インスタのストーリーに上げちゃおっと!^_^」
お店の雰囲気も相まって、今日はいつもより砕けた表情の菜穂をみることができた。
メキシコに本当にいるかのような異空間と、ドレス姿じゃない一般女性の菜穂。
キャバクラ が非日常な空間なはずなのに、今晩の方が日常から離れた空間にいるようだった。
最初のコメントを投稿しよう!