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菜穂
川端和人は時間を持て余していた。
彼は、20代後半からダーツの機械を卸す仕事につき、ノウハウを覚え、その内都内に何件かのダーツバーを展開するようになり、いつしか大きな組織となり、社長になった。
42歳という言わば青年実業家になっていったのだ。
彼の手元にはブラックカードと都心にタワーマンション1室を購入、そこで妻と子供3人がいる傍ら、仲間たちと夜はキャバクラ 、朝はサーフィンをし、仕事は部下が処理し、自分の時間を大いに持て余していたのだった。
今日もそのルーティンである。
仕事には重い責任のあるポジションへ着いたが、それを忘れるかのようにサーフィンや女遊びで癒しを求めるようになったのだった。
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