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透析という治療法
山形市の駅前からさほど遠くない場所に建つ篠田病院。透析室が裏側にある。透析とは、体に溜まった余分な水分や塩分、老廃物を体に出すことが出来ず、そのままにしておくと生命の危機につながるので腎臓に代わってその役割を果たせる治療法が透析である。ただし、透析は腎臓の機能を回復させる治療法ではない。腎移植しない限り透析は一生続けることになる。
それぞれの仕事を抱えながら透析をして生活をする。透析患者が月曜日、水曜日、金曜日に集まる。太い針を二本刺して四時間ベッドの上だ。
透析の針を刺すのはシャントという動脈と静脈をつなげてつくる。
そこに普通の何倍も太い針を動脈側に一本と静脈側に一本刺すのだ。大量の血液を機械を通して体に戻すので太くないとならない。
季節は夏。
透析室に新人が入った。
「はじめまして、東海 珠乃です」
東海珠乃との出会いだ。
「森田貴弘です」
俺は答える。東海珠乃は可愛いかった。
それから珠乃さんと話すようになる。最も、透析室でだけである。
「失敗したらまた刺せばいいよ、気楽に刺して」
他の若い看護師が新人だった頃には言ったことないような言葉をかける。
既に東海珠乃の虜だった。
俺40歳、東海珠乃22歳。年の差18歳···。
この恋叶えてみせる。
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