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一つの結末
駅前の巨大テレビにニュース速報が流れる。霞城セントラルがパニックになっている映像が映りソラリスに火炎放射機を放ちながら男が焼き付くしていくというおぞましい事件だ。俺は映像を観ながら、すぐ近くで起きていることに愕然とした。
「串田さん···これ今ソラリスで起きてるんですよね?」
佐藤直子が信じられないという顔をしていた。
「ですね」
俺は答える。
佐藤直子と俺は偶然夜の町で出会った。佐藤直子が俺を知っていたのだ。俺も佐藤直子を知っていた。ペレストリアンデッキで文字を書いた、あの女性だった。珠乃の友人で記憶がないらしい。
それを聴いて病院に何故行かないのかと不思議に思ったが、珠乃はそれをよしとしなかった。俺は佐藤直子と病院へ向かっている途中にニュースを観ていた。
佐藤直子は俺が何回振られたことも知っていた。
「私の側についていてくれますか?」
佐藤直子は言った。顔は真っ赤になっている。
「ついてるよ。大丈夫」
俺は答える。
二人は寄り添い病院へ歩いていく。
その姿は恋人のようだった。
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