0人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
告白
透析が終わりダルさが身体中を襲う。
重力に逆らえず透析の休憩室で倒れこむようになる。これでは告白どころではない。若い頃はすたすたと帰れた筈だった。
珠乃さんに告白するチャンスは突然やってきた。
「森田さん大丈夫ですか?」
珠乃さんが声をかけてきた。どこかに行くようだ。
「珠乃さん、ありがとうございます、大丈夫です」
俺は答える。珠乃さんは行こうとする。
「珠乃さん」
俺は呼び止めた。
振り向く珠乃さん。
「珠乃さんに惚れました、叶うなら真剣に交際したいと思ってます」
心臓がバクバクと高鳴る。身体中が重い。
珠乃さんは?答えてくれる?
何も言わず見つめ合う。
「思いを伝えたかったんだ。緊張したぁ」
俺は言った。
何か言ってくれ。
どうなんだ?
返事のないまま、いつも通り、何事もなかったような会話。
···どうなんだろう?
最初のコメントを投稿しよう!