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その少年はあまり良い評判はなかった。
多くの女子に手を出ていたからだ。
そんな誰もが知っていることを少女は知らなかった。
教えてくれる人すらいなかったからだ。
やっと私を見てくれる人が来た。
しかも、愛してくれる。
どんなに幸せなことなんだろう。
その日から少女の生活の全ては少年の言う通りだった。
前日に「手作り弁当が食べたい」と言われたら作った。
料理が得意でなかった少女はほぼ徹夜で作り上げた。
きちんと完成したのは学校が始まる1時間前だった。
少女は急いで準備をし、学校に行った。
こんなにも学校が楽しみになるのは久しぶりだと思った。
午前中の授業が終わり、昼休みになった。
少女はドキドキしながら少年を屋上で待った。
少年は少し遅れて屋上に来た。
少年の制服のボタンを掛け違え、乱れていた。
体育の後だったからだと思う。
でも、違う気がした。
ただ自分以外の女がいるという勘だ。
少女は気のせいだと思い、後ろに置いたお弁当箱を取った。
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