プロローグ

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「恭輔、どんなものであった?」  こちらに上がれと田神は恭輔を手招きする。 「嘘、の類いはありませんね」 「何か引っ掛かりがあるようだな?」  恭輔は縁側に靴を脱いで上がると胡座を組んだ。 「嘘は言ってない、しかし言うべき事をすべて言ってもいない。あと、臭かったです」 「なんの臭いだ?」 「瘴気です。身近におかしなのがいるかもしれませんね」  ふむ、と田神は顎に手をやりボリボリと掻く。 「気になるの……。探ってもらえるかの?」 「御意」
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