炎を継ぐもの

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 小烏丸を左手から右手に持ちかえ、バイクから降りると鞘を車体にもたせかける。 「大山津見神(おおやまつみのかみ)(たてまつ)る。諸々の禍、悪しき靈を祓いたまえ、カン! マン! ボロン! ウン! アバンウン!!」  右手に携えた小烏丸に左手の剣印を滑らせ切っ先までなぞると両手で柄を握り上段からアスファルトの路面スレスレまで振り下ろす。 「ギャアァァァァァァーーーーー!!」  女の絶叫が響き渡り兵士と警備員がバタバタと糸の切れた操り人形のようにその場に倒れていく。頭部の仔蜘蛛が二つに割れて地面に転がっている。 「ヤっちゃったわ……」  恭輔が呟く。榊 祐子が真っ二つになっていた。それでもまだ逃げようとのたうち足掻いている。 「燃えろ、カン! マン!」  仔蜘蛛と榊 祐子から蒼い炎が噴き出し焼き祓いつくす。 「あぁ、しまった。手掛かりが消えた」
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