炎を継ぐもの

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          ◈ 「子どもの頃にそれぞれの家で火乃迦具鎚様についての伝承は教わっていたはずなんですけど、アレは覚えてなかったのですね……」 「まぁ~、その、なんだ。恭輔を見捨てないでやってくれ」  田神 繁が稗田ゆかりに語りかける。 「小烏丸を抜くことができたら見捨てません」 「そうかそうか……」 「抜刀できたら総領総代はアレになってもらいます」 「うむ。恭輔は稗田の家に婿入りかのぉ」 「仲人を田神様に是非ともお願いいたします」  稗田ゆかりが深々と頭をさげる。その頃、恭輔は寒気を感じていた。
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