7-(3) この国の名前は

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 ジュリアンの話し方はすごく上手だった。 「よく弟に話して聞かせるのだ。まさか、リュカの知識が5歳児と同じとは思わなかったが」 「ご、5歳児……」  うーん、何気にショックだ。  僕はこの世界のことを本当に何も知らないんだ……。  レオが僕の頭をくしゃくしゃっと撫でた。 「リュカ、そういやお前、字は読めるのか?」 「えっと、多分、読めないです……」  わー、レオとジュリアンがすごい顔をしている。  奴隷って教育を受けられないイメージだけど、リュカは王宮所属の奴隷だったから読めるのが当たり前だったのかな?  僕だって、日本語なら読めるんだよー。  成績は悪かったけど、ちゃんと自力で高校には入れたんだよー。  レオは僕をギューッと抱きしめた。 「それならまずは子供用の絵本をいっぱい買ってやる。ゆっくり教えてやるから、まずは字を勉強しような」  レオが歯を見せてニカッと笑う。  保護者と思えってこういうことかな。  僕はこの世界の常識が無さ過ぎるから、がんばって勉強しなくちゃ。 「はい、嬉しいです」  僕もレオにニコッと笑い返した。 ・
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