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ぐったりとした状態で更衣室に行くとまたもやあの少年二人に遭遇した。
それもシャワーブースの前だ。ただ出てきただけなら何も思わないのだが二人同時に同じ個室から出てきたのだ。つまり、一つのシャワーブースを二人で使っていた事になる。
仲のいい友達同士なら問題も無いだろうと深くは考えなかった。
着替え終えてロビーに行くと嫁はベンチでトロピカルジュースを飲みながら俺を待っていた。プール内でも散々飲んで腹がタプタプの筈なのによくもまぁ飲めるものだ。話すこともなかったので先程の少年二人が一つのシャワーブースから出てきた事を話した。
「何をしていたのかしらねぇ」
その顔はこれまでに見たことがないぐらいにニヤニヤとしていた。絶対にロクな事を考えていない。そして叫びだした。
「日本の夜明けよ! 黎明よ! 曙よ! 暁よ! 明星だわ! まさに太陽のように輝いて尊いわ! 好き合う男の子同士が人目を忍んでこんな所で! 尊いわ!」
全部日が昇る太陽の意味のつもりで言ってるところ悪いが、明星だけは金星だから違うぞ。薄い本に書いてない知識だから知らなかったのか。別に明星を太陽と勘違いしてる薄い本があっても構わんが、ちゃんとした男同士の友情を描いてはくれないだろうか。これ以上嫁が腐ると俺の身が保たない。
「シャワールームの排水溝が心配だわ…… 詰まらないかしら……」
俺は嫁の頭の中が心配だよ。
「あなたも中学生ぐらいにお風呂の排水溝詰めちゃったんでしょ? お盛んな時期だもんね」
もうやだ…… こいつの頭には何が詰まってるんだ…… 腐った脳みそが詰まってても驚かないよ。
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