オマケ とある一日

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オマケ とある一日

〜 犬塚 視点 〜 ボリスは狼として、人として何方寄りに生きるのか考えた結果゙ 自分に都合がいい方 ゙にする事にしたようだ 俺はどちらの姿でも愛せるし、どちらの姿でもメリットしか無い為に、ボリスに任せる事にした 「 ごふっ……! 」 「 朝だ!!起きろねぼすけ!! 」 朝四時半時 必ず俺より先に起きるボリスは、一緒に寝ていたはずの俺を敢えて 重さが諸に分かる狼の姿で腹へと飛び乗っては起こしにかかる 「 っ……もう少し、優しく起こしてくれ…… 」 「 はい、リード持ってきたぞ 」 「 嗚呼…… 」 昨夜も沢山イチャついたのにも関わらず、野性の体力があるのか、俺より元気がいい。 腹が地味に痛みながら、散歩用の服を着ていれば、一階から持ってきたリードを咥えては、尻尾を振って向けてくる 最初は嫌がっていたのに、あることがきっかけで散歩を好きになったらしい 今日もそれを求めるのだろうな、と少し冷めた目を向けてはリードを受け取り、首輪に付けてから一旦手を離して、共に1階へと行く 「 散歩だ!散歩!!今日は川側な!! 」 寝起きか?と疑問になるぐらい、 洗面器で顔を洗ってる俺の背後で、バランスのいいご飯を食べたお陰もあり 体格の良くなった狼は尻尾を噛んでクルクルと回ったり、足音を気にせず廊下やらリビングを走り待っていた 「 嗚呼…… 」 ルーカスも散歩コースは飽きていた為に数ルート存在して、その中でも山道コースと川側はお気に入りらしく、いつもどの方向に行きたいのか告げてくれるのは助かる 顔を洗った後タオルで拭き、髪を軽く整えてから、廊下をダッシュしてリードを引き摺りまわるボリスを放置し、キッチンで軽く水を飲んでから、財布とスマホをポケットに入れ、 形だけのエチケット袋の入ったポーチを腰へと巻く 「 行くぞ、ボリス 」 「 ガウッ!! 」 敢えて獣の声で返事をしたボリスは玄関へと逸早く行き、尻尾が引き千切れそうな程に左右に振っては俺ではなく、玄関しか見てない まぁ、いつものことだからシューズを履き終え、リードを拾い上げては、ちょっと短めに持ち、玄関の扉を開く 「 ガウッ!!( 朝の空気だ!! )」 「 いつも、鍵をかけるまで待てって言ってるだろ…… 」 「( 早く早く!! )」 言葉が通じるはずなのに、言葉の通じない犬より物覚えが悪いというか、言ったことをしようとはしない そこが、家畜として飼い慣らされた犬か、 野生として生きてきた自由な狼の差なんだとは思う まぁ、多分…本人は散歩が好きなだけなんだろうがな 玄関の鍵をかけ終えれば、口角を上げる 「 じゃ、行くぞ。位置について…よーい… 」 「( よし、来い!! )」 合図と共に姿勢を低くしたボリスを見ては、走り出す 「 ドン!! 」 「( あ、ちょっとフライングしたな! )」 俺も年齢が年齢の為に、ジョギングを始めるのは丁度よかった ボリスも朝の空気の中を走れるのは嬉しいようで、ダッシュをしたのは敷地を出たまでで、それからは俺の速度に合わせて真横を走る 最初はすぐに息を上げていたが、今は体力も増えたことで長く走れるようになっていた 肺一杯に空気を吸い込めば、笑う 「 ボリス、気持ちいいなぁ! 」 「 ワウッ!!( 今日は1日を通して晴天なり〜! )」 狼にとって俺の方が脚が遅いために、時折此方を向いて様子を窺うボリスと目が合えば、嬉しそうに前を向いて走る 「 おや、おはよう〜 」 「 おはようございます 」 同じ時間に散歩してる人とは顔見知りの為に走りながら挨拶をしていく ボリスも大きいって理由から、ちょっとした人気者だ 二キロほど走ったところにある、コンビニで休憩するのがお馴染みのルーティーンになっている 「 なにがいい? 」 ボリスはどっか行きはしないが、とりあえず手摺りリードを繋げながらしゃがみ込んで顔を寄せれば耳元へと鼻先を向け囁く 「 えっと、えっと…、もーもーミルクの、アイス! 」 「 嗚呼、分かった。ちゃんと買ってくる 」 頭を撫でては、離れた後に1度ボリスを見てからコンビニの中へと入り、アイスコーナーでボリス用の牛の模様がパッケージのバニラアイスを2つ買い、そのままレジへと行く 「 いらっしゃいませ、おはようございます 」 「 嗚呼、おはようございます 」 朝の時間にいつもいる男性の店員はバーコードを通した後、俺にセリフレジを任せながら外でお座りして待つボリスを見る 「 相変わらず、いい体格の愛犬ですね。風格が出て来たように思えます 」 「 厚みもあり、やっと毛が生え揃ったお陰ですね 」 「 しっかり愛情が注がれているんですね。羨ましい、自分も犬になりたいですよ 」 「 なればいいさ。きっと楽しい生活が待っていますよ 」 「 え………? 」 会計を終え、そのまま持って外へと出れば、俺の足音で顔を向けたボリスは、立ち上がり片足を出しては頂戴と欲しがる為に、リードを持って近くのベンチのある公園へと移動する 「 もーもーあいす!! 」 「 急に食うと腹壊すから、ゆっくりな 」 周りに人が居なければそれとなく言葉を発して、ベンチに座る俺の足元でおすわりしては、尻尾を振るのを見て、其々袋を開け、片方を持ってから手元を下げれば、ボリスは口の周りを舐めてから、ソフトクリームアイスの先端へと咬みついた それを見ながら俺もまたアイスを舐めて、休憩を楽しむ 「 くぅ〜! 」 「 ほら、急に食べるから頭が痛いだろ…学べ 」 急に伏せになれば顔へと手を当て、頭がキーンとしたのか、痛がる様子が毎回の如くだから溜め息が漏れる それでも、バクバクと残りを大口で食べたボリスは、俺の持ってるアイスをガン見してくる 「 駄目だぞ、腹壊す 」 狼寄りであるボリスには人間の食べ物は、時々腹を壊す 特に加工された乳製品は気をつけないと、トイレから出てこないからこそ欲しがっても上げれないとそっぽ向けば、 耳を後ろへと下げ、明らかに目を細めて、チベットスナギツネみたいな顔をしたボリスは、直ぐに俺の足へと片手を当てる 「 ……… 」 「 ママー、あのワンワン。おねだりしてる! 」 「 えぇ、可愛いわね。アイスが欲しいのよ 」 「 あたちも、あいすほしい! 」 「 じゃ、買いに行きましょうか 」 他人が可愛いと思うなら、俺から見たらもっと可愛いものだ 分かってるが…と思いキラキラの期待の目を向けて俺を見てるボリスに、負けた 「 はぁ、食え……腹が下っても知らんぞ 」 「 !! 」 犬のように尻尾を振り、噛み付いて食べるのを見て、 この休憩時間…いつも俺の分も食われてる事を改めて思っては、食べ終わったボリスと共に次は歩いて、散歩の道を戻る
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