第1回タルタロス討伐戦

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「それで私は何したらいいですか?」 「とりあえずウェイターをしてもらいながら、お客さんの様子を見ていこうか」  まだお客さんは少ないし、どちらかというとお酒を飲みに来たプレイヤーというか、既存のジョブが多い。  当たりが出るまでは小遣い稼ぎでもしながら見守るとしよう。 「店員さーんこっちこっちー」 「はーい、今行きまーす♪」  ノリが軽めではあるがてきぱきとそつ無く仕事をこなしている。 「すいませんこっちも唐揚げください」  カウンターのお客さんから注文を受ける。  むしろ僕の方が間に合ってない。 「少々お待ちをー」 「慌てなくて大丈夫ですよー、店長さんも新店舗構えて大変ですね」 「いやいや、前々から店を構えたくてうずうずしてたんです」  という建前ではあるが、会話を円滑にこなすには適度な嘘を織り交ぜた方が楽だ。 「そういえば聞きました? なんでも最近、プレイヤー狩りとか言うのが行われてるらしくて」 「プレイヤー狩りですか……」  突然の物騒な話。  少しタイミングが良すぎるが、それ以上に怪しい。 「なんでも見たこともないようなスキルを使うらしくて」 「というと?」 「たしか黒煙でプレイヤーを包み込んで、黒煙が晴れる頃にはプレイヤーは倒れてるとか、細かい部分はわからないみたいですけど」  黒煙、闇魔法にも聞こえてしまうが、そんなエフェクトの魔法は今のところ存在しない。 「店長……」 「うん、当たりかもしれないね」  耳打ちしてきたウララさんに相槌をうって、更に話を深堀りしていく。
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