サービス開始、初日から大荒れ

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西暦2036年11月1日。  8時現在よりオープンワールドを解放することとなったリディル・オンライン。 今まさにスタートしたゲームに意識を繋げる電脳ネット。 この電脳ネットのおかげで意識はゲーム世界へ移動し、そこでリアルな体験が可能。 この世界では職業もあり、現実での仮想通貨への変換も可能としている。 そんな莫大な予算をやり繰りするために、プレイヤーには月額3000円という定額金を要求しているが、いまやこのゲーム業界ではこれくらいは当たり前だ。   『ワールドの解放に伴い、王都エリア・山岳エリア・平野エリアを解放しました』  王都エリアはプレイヤーが最初に降り立つ非戦闘エリア。  山岳エリアは自然豊かな山岳や、暗雲立ち込める墓場など地形の起伏を活かした立体的なエリア。  平野エリアは見通しのよい草原、湖を配置した水棲生物エリア。  もちろんこれからアップデートで随時追加要素はあるが、最初は掴みが大事なので狭いエリアでサービスを堪能してもらう。  これに重点を置いている。 「さてと、僕の配置されたのがこの荒れ地の城か」  さらにこのリディル・オンラインの重点を置いたのが、NPCの廃止。  全ての街、エリアのNPCを廃止して、スタッフのキャラクターを配置した。  それによりリアルに近い感覚を持ってもらいたいというサービス側の狙いがある。  ちなみに僕は山岳エリアの端にあるボスキャラクターとして配置されている。  これもまた戦闘を生きたものにするために、各ボスはサービス側のスタッフが配置されている。 「さてと、準備は大方出来ているけど、少しモンスターが少ないのと、上手く行けば、モンスターとエンカウントしなくても城まで来れるな」 僕はサービス側のボスキャラとして登場している。 エリアのモンスターの管理もボスキャラの皆さんが行っており、ポイントによって召喚が可能となっている。  RPGである以上は敵と遭遇してレベルを上げないと成立しない。  「まぁ王都エリアで今日はジョブなんかの説明やらを受けていればここまでプレイヤーが来ることは無いか」  まずは自分のいるエリアのエンカウント調整と、ドロップアイテムの整備。  それからサービス側としての問題は、軽視された端のエリアのため、モンスター以外に配置されたのは僕だけ。  退屈と期待が入り交じるこの要素。  1人なのは少し寂しい。
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