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ゲームバランス、ギルド誕生
英傑ラフィリアとの戦闘後、どうやら王都エリアでモニタリングされていたようで、このエリアは警戒されており、山岳エリアの奥地は「魔境の地」などと呼ばれているらしい。
あの時点でラフィリアはレベル5だったらしく、それを一蹴してしまったことがなによりの原因。
だがラフィリアの操作していた人は、驕りが過ぎたプレイスタイルゆえであり、上級者がラフィリアと同じステータスならこうはいかなかった。
それはモニタリングを見ていた一部のプレイヤーにも伝わったことだろう。
ラフィリアは恐らくだが、上級者からは地雷扱いされるのではないかと、今となっては申し訳ないことをした。
もう少し強さを際立たせて倒せばよかった。
ひとまず一時この地は平穏に包まれることだろう。
「拓也! レベル上げてきたよ!」
「名前で呼ぶなよ、ゲーム内なんだから」
「いいじゃん! ここ平和なんだもん」
このお転婆娘は同じスタッフの斉藤 楓。
王都エリアの直近にある山岳エリア入口の洞窟のボスキャラをしていた狼の獣人をしていたのだが、凄まじい勢いでやってくるプレイヤーにより、凄まじい勢いで情報が露呈。
ただのレベル上げキャラとなってしまい、レベル上げループに利用され始めたのを運営が確認した。
このままではゲームバランスが崩れることを懸念した運営が現在魔境とされるここに「中ボス」として配備した。
「君のキャラは「狼女帝」だったっけ?」
「やめてよ、ださいから嫌いなんだよ」
「名前の割に初期配置の場所のせいでどうしても雑魚扱いされるしね」
「ほんとだよ、ここに配置されたのはいいけど、ワイバーンの方が普通に強いし、中ボスとか無理ゲじゃない?」
「そう拗ねるなよ、ワイバーンは英傑を倒したからレベルが上がったんだよ」
狼女帝はAGI特化のスピードスター。
どうにもステータスもそこそこにあるのだが、洞窟というエリアゆえにAGIが行きず、魔法使い系のジョブが洞窟に魔法を打ち込み続けて、とにかく炙り出す作戦でいつもやられていた。
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