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「三枝さんのお友達なんですか?」
「いや、お友達ではないです。ただの同級生でバッタリ会って、たまたまです」
「三枝さんが女の人を推薦して連れてくるなんて、ビックリしましたよー」
この人は、音山さん。
はっきりきっぱり言いたいことを言うけれど、なぜか悪意を感じない。かわいいな。
でも少し空気読めない系かな。
「お友達なら大丈夫かもしれないですけど、三枝さん、自分に対して女の顔をする女性に対しては、いきなり顔が凍結して、引き潮かっていうくらいさーーっと引いていきますからね。ご注意ください」
「そうだよね。王子の引き潮は怖い。めっちゃ怖い。波が見えるもんね」
このお二人は、田中さんと、佐藤さん。
引き潮、王子。
「昔いろいろあって、女嫌いなんだって」
「それも相当。女嫌いというより女性不信だよあれは。でも普通にしていれば普通だから。特に優しいわけでもないけどね。ハハ」
「なにか困った事があったら、うちらでわかんない時は、吉川さんか笹尾さんに相談するといいよ? 三枝王子は基本、気難しい芸術家の置物ね。社内に居ないことも多いけど」
三枝君、いつの間にそんなことに。
あの日話した印象とも、昔々の小中学校の頃の印象とも、違うんだなぁ。
女性不信になるくらいいろんな事があったのか。相当もてるだろうから、何と無く想像はできる。
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