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「あ、そういえば岡部とこの間飲んでさ」
「えー岡部くん、元気? 懐かしい」
「いろいろ聞いたよ、昔の話」
「な、なにを?」
「お互い聞かされてたみたいよ。俺はよく久住の話聞いてた。変な人だなって」
「えっ? なに言われてたんだろ」
「だから俺あなたのこといろいろ知ってて、友達みたいな感覚だったんだ。最初から」
「それは……なんとなくわかる。だからか、岡部君の影響か。不思議だったんだ、三枝君てなぜかあまり話した事もないのに、仲が良かったって感覚があるのね、私も。……そう言われると、結構三枝君の小学生の頃の秘密とか知ってるかもしれない」
「何をどう話したんだ、あいつは」
「お互い様」
「この間のシャツさ、俺にどう考えても似合わないと思ったけど、着てみたら意外と着心地良かった」
「着てみた? わ、見たい。いや、三枝くんほど似合う人はいないのではないかと」
「爽やかすぎない?」
「爽やかじゃん」
いつでもこうして、何気ない会話を楽しめますように。
三枝君に、あいつがいれば安心と思われる存在になれますように。
正々堂々、ありがとうと言える日が来ますように。
そのためには努力を惜しみません。
王子の隣に並ぶ姫にはなれないけれど、役立たずの家来にはならない。
わたし、頑張るからね。
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