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数日後、給湯室でバッタリ、音山さんと二人きりになった。
「……」
「なに？」
「いえあの」
「はっきりどうぞ？」
「この間は、と言っても結構前になりますけど……スミマセンでした。想像で、おかしなことを言ってしまって……」
「別にいいよ。気にしてない」
「三枝さんが話しやすい(？)ので、つい軽率な言動を、余計なことを言ってしまい。私、空気読めなくて、一言多いといつも怒られるんです。普通、社長にそんな口きいたら左遷ですよね。クビですよ」
「クビ、ふーん、そうしますか？」
「……え」
あ、冗談に聞こえないらしい。
いやいやウソだから、と否定する。
「──久住が音山さんのこと、悪気ないし、反省してるって言ってた」
「え？ 椿さんが？」
椿さん。仲良いよな。懐かれてる。
「音山さん、別にいいよ、俺のことも名前で呼んでくれて」
「……え？ なまえ？ だって苦手だって」
「大して知らない人から千諒さんて呼ばれるのは正直苦手なんだけど、社内ではそんなの別にいいかって」
「そ、そうなんですか」
「自分の名前好きだったんだよな、昔は」
「ど、どうしたんですか急に。今日、なんか優し……変なキノコでも食べたんですか？」
へんなきのこってなに。笑い茸的な？
「あはは、なんで」
「わ、わ、わ、笑った！ やばっ、破壊力。三枝王子が壊れた」
「……今なんて？ 王子？」
「あ」
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