6.はじまりのキス

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「……」 「なに? なにか抗議がありますか? すみません。大好きです。久住のことが」 「キスをするの、久しぶりなんです」 「へー。ちなみに俺も数年ぶりだけどね」 「はじまりのキスだっていうのに、そんな爽やかな顔して なんてキスをするの……」  ああ、そういうこと。ごめんね。可愛くて止まらなくてつい。 「じゃあもう一回」  今度はお望み通り、爽やかでじゃれるようなキスをする。それはそれで止まらず。  俺たちは数分間に渡り、その場を離れることができなかった。  はじまりのキス。  そうか俺たちは、これから始まるのか。 「私も会えなくて淋しかった」  そう言われてやっと、顔を見合わせて笑った。
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