最終章 二人のキーノート

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「……私も、会えなくて淋しかった」  頬をピンクに染めているくせに目も合わせない様子にグッときて、もう一度抱きしめた。  ……厚着し過ぎ。  翌日は休みだし、少しでも一緒に過ごせるのかなとは思ったけれど、 「あっ、私 今ダメなんだ!」  突然、久住が心の声を叫んだため、結局吹き出す羽目に。 でそれどころではない為、一緒には居られないと言い出した。いやいや、期待しないわけではないが、そういう事ではない。  ピンクどころか完全に真っ赤になり、オフィスから逃げ出そうとする久住をなんとか捕獲し、アパートまで送った。  体調を考え、一緒に居たいのを我慢する。 「明日、元気だったら電話ちょうだい?」 「……うん」  いい歳の大人なので、いろいろ我慢くらいできます。こういう時くらいは、女性は自宅で一人ゆっくり休むのが良いのだろうと、無理やり納得する。  だけど部屋の明かりが点いて、久住がベランダから手を振る姿を見た時、直ぐに後悔した。  具合が悪かろうがなかろうが、完全に俺の我儘になるが、傍に居たかったと。
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