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先生をどうにかしたい
ベッドに横たわった先生の腹部辺りに馬乗りになるような格好で、私はワイシャツの一番上のボタンに手をかけた。
「なあ、橋本…」
「先生、何?」
私は焦らすように、ボタンを一つ外す。
「……他の男にも、こんな感じなのか?」
「こんな感じって?」
「……積極的というか……、攻めてるというか……」
ボタンに手をかけたまま、私は身をかがめ、先生の唇にわざとリップ音が鳴るよう小鳥のようなついばむキスをする。
あぁ…、相性がいいのかな…?
こんな子供みたいなキスに身体の奥からゾクゾクと快感を感じてしまう。
正面から先生を見つめると、戸惑うように瞳がゆれるが、目をそらすような様子はみられず。
「お客さんから希望があれば攻めたりするけど、基本的には受身な方だよ。……知り合いとラブホテルで二人きりなんてシチュエーションに興奮してるのかも。」
そう言って私から二度三度とかわいいキスをすると、「んっ…」と先生から声が漏れ、ますますドキドキに拍車がかかってしまう。
「こんなにドキドキして、興奮してるの、生まれてはじめてなの。先生をどうにかしたくて、ドキドキがとまんない。……だから、最後まで責任とってくれる?私のドキドキがおさまるまで。」
今、ずいぶん意地悪な顔してるかも。
そう思ってしまうぐらい先生を困らせて、よがらせて、快楽に浸った顔を見てみたい。
「俺も普段は攻めて相手を鳴かせたいんだが……変なんだ。橋本に触れられると、それだけで気持ちいい。後で良くしてやるから、今は橋本の気が済むまで俺に触れてくれないか?」
わずかにトロンとした目をしながらも、やさしく微笑む先生。
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