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こんな風に、異性に真剣に想いをぶつけられたのは、今まで生きてきてはじめて。
……お客に『オレの女になって欲しい』と言われることも時々ある。
それがどれほどの本気度かはわからないけど、その人達と先生から伝わってくる真剣さは全然違う。
先生が、本気で言っているのが、その表情や雰囲気からビシビシ伝わってくる。
……本当に…あたしでいいの?
すること終わって、『やっぱナシ』なんて言わないよね?
……一年間担任だった先生。
高校三年生、進路で悩んだ時、色々と相談した。
親身になって相談にのってくれたし、アドバイスだってくれた。
そんな一年間で、私も先生の性格とか、人柄とかわかってるつもり。
『やっぱナシ』なんて言ったり、冗談やノリで気持ちを伝えるような人じゃない。
だからこそ……
「……はい以外の返事………、思いつかないです。」
私は少々恥ずかしく思いつつ、照れながら笑みを浮かべた。
「……やば…。めちゃうれしい。」
先生もはにかんだような笑みを浮かべ、私の額に両頬、鼻、唇といった顔中にキスの雨を降らせる。
そして、優しくぎゅっと抱きしめ、「…今日、オレんとこ来いよ。迎えに行くから。」と、私の耳元で甘い誘いを口にした。
あえて問いたださなくたってわかる。
先生の所へ行って何をするのか。
わかったうえで「ん、行く…。」と、答えながら私は先生の体へ手を回した。
「後で連絡先教えるな。……先に明を食べるぞ。いいな。」
そう言うと、私を抱きしめる腕をゆるめヘッドボードへ手を伸ばす先生。
かさりとアレを手にする音がする。
私の中に先生が……
そう思うだけで、何ともいえない幸福感と高揚感。
静かに私から離れ、私に背を向けるようベッドサイドに腰かけた。
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