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第2回 ヒッチャー
1986年・アメリカ映画
監督:ロバート・ハーモン
脚本:エリック・レッド
出演:ルトガー・ハウアー/C・トーマス・ハウエル/ジェフリー・デマン/ジェニファー・ジェイソン・リー 他
<STORY>
シカゴからサンディエゴへかけての車両陸送の仕事についていたジムはその途中で一人のヒッチハイカーを拾う。ジョン・ライダーと名乗るその男はジムにナイフを突きつけ、「俺を止めてくれ」と迫る。一度はジョンの手から逃れる事に成功するジムだが、ジョンは執拗にジムを追ってくるのだった。
<感想>
今さら僕が言うまでもないですが、スピルバーグの『激突!』を相当意識してる映画です。ラストまで似せてる辺り、確信犯的にパクってる。これでつまらなかったらボロクソ言われてるでしょう。
けど、殺人鬼を演じるルトガー・ハウアーの鬼気迫る怪演、ロバート・ハーモン監督の淡々とした演出、マーク・アイシャムの音楽などが相まって秀作と評価できる仕上がりになってると思います。
直接的な暴力描写を避けてのサスペンス演出はなかなかのもの。ロバート・ハーモン監督は本作と『ボディ・ターゲット』しか知らないですが、企画に恵まれてたら凄い監督になってたと思います。惜しいですね。
本作の肝はメインとなる登場人物を若い青年ジム、それを執拗に追いかける殺人鬼ジョンの二人に絞った点にあるでしょう。一応、ヒロインといえる人物は出てきますが、これも華を添える程度でストーリー上はいてもいなくても問題は無い。
主人公とヒロインの濡れ場といったお色気サービス無し、殺人鬼ジョンの人物背景についての説明無し。余計なものを一切合切排除して、ただ只管殺人鬼に追いかけられる主人公の姿を描写するのみ。
何故、殺人鬼は執拗に主人公に付き纏うのか。それについての回答も無し。尋ねられても「自分で考えろ」とはねのけておしまい。そのまま最後まで見せきってしまう力技は見事というべきか強引というべきか分かりませんが。面白い映画である事に間違いは無いので、見事と言っておきましょう(笑)
映画好きならご存知のヒトが多いかと思いますが、本作は2007年にリメイクされてます。当然観ました。まあ、結構な駄作でしたね(笑)本作の肝だった「男対男」の片方を女性にするわ、敢えて排除した暴力描写をこれでもかこれでもかと見せまくるわと散々なものでした。本作が何故評価されてるかを全然分かってないという事を証明しただけに終わった作品です。
オリジナルもリメイク版も観てないヒトには「リメイクを観るな」とは言わないですが、先ずオリジナルを観て欲しい(笑)多分、リメイク版を面白いというヒトもいるとは思うんですよ。で、その次にオリジナルを観てもリメイク版が面白かったという印象があるから全然別物になってるオリジナルを観たら感じ方が違うと思います。だから、先にオリジナルを観る事をオススメしておきたい。
ただ、本作の面白さは『激突!』があってこそとも言えるので採点は★3点にしておきます。
★★★☆☆(3点)
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