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飲み始めてから1時間ちょいが経って、遥香はまた口を開く。 またこの話かと、少しうんざりしてため息を吐く。 遥香のお酒のペースはいつもより少しゆっくりで、レモンハイボールを飲んでいた。 明日予定があるのは本当らしい。 「会社で人気になったって仕方がないからいいの」 遥香は酔うといつも言ってくる。もうちょっとおしゃれをしなさいと。 仕事をするだけなのに、そんなにおしゃれにしたって仕方がない。 と言いつつも、だんだんプライベートでもおしゃれをしなくなってきたので、ただでさえ地味な私は、余計に地味さが増してきているのも確かだっだ。 「菜奈は本当は可愛いのに。その眼鏡外すだけでも絶対に変わるよ。新入社員の頃はコンタクトだったじゃん」 よく覚えてるものだ。遥香は変な所で記憶力を発揮する。 「めんどくさいんだもん。プライベートではもうちょっと頑張ってるよ」 ううんと遥香は顔を横に振る。長い黒髪が揺れる。その仕草がなんだか可愛い。
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