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一人暮らしの晩ご飯は、本当に寂しい。 本音を言うと寂しい時と、寂しくない時がある。 ひとりで気楽だなーと感じる日もあれば、寂しくて誰かと一緒にいたいと思う日もある。 今日は、なんとなく後者だ。 係長と離れて、家で晩御飯をひとりで食べるのは、ものすごく嫌だ。 係長と、もう少し一緒にいたかった。 「……晩飯くらい、予定が空いてたらいつでも付き合うぞ」 さらっとそういうことを言われると、私の中の色んなものが、崩れそうな気がする。 「……ありがとうございます。私も、他の女の子捕まらなかったら、付き合いますよ」 係長は、少し苦笑いをする。 「そんなこと言うなよ。誘うときは小嶋を一番に誘う」 どきっとする言葉。お世辞だとしても、喜んでしまった自分がいた。 「……ご近所付き合いは大切ですもんね」 照れ隠しでこんな事しか言えない私の性格が嫌いだ。 全く可愛げがない。もっと可愛い一言とか言えればいいのに。 「一番のご近所さんだからな。困った事があったら遠慮なく頼れよ」
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