5

2/27
前へ
/406ページ
次へ
ゴールデンウィーク明けの仕事というのは、サラリーマンにとって一二を争う程、嫌な日だ。 休みの日、何件か電話がかかってきて仕方なく出勤した日もあるが、基本的には穏やかなゴールデンウィークだった。 初日に小嶋と出かけて以降は、あまり外に出なかった。 神奈川にある実家でのんびりしていた。 憂鬱な気持ちで、会社があるビルに入る。 ビルの正面にいる受付の子が、今日も笑顔で頭をさげてくれる。 彼女は何時からあそこにいるんだろう。俺が出勤する時にはいつもいる。 心なしか、すれ違う人の顔も沈んで見えた。 ゴールデンウィーク明けなら、それも気のせいではないかもしれない。 誰だって長期休暇明けには働きたくはない。 エレベーターで上って、会社に着く。 そういえば、小嶋と連絡先を交換したけれど、連絡をまだ一度も取ってない。 俺からした方がいいのか、それとも待つべきなのか。 考えていたらゴールデンウィークが終わってしまっていた。
/406ページ

最初のコメントを投稿しよう!

540人が本棚に入れています
本棚に追加