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「よし、食べに行こう。車出すか」 一番近くの寿司屋でも、歩いて行くには遠すぎる。 「迎えに来てください」 怒っているからか、いつもより少し傲慢な気がする。 いつもと言えるほど、何度も迎えに行ってる訳ではないけれど。 それでも、いつもなら迎えに来てくださいとは言わないはずだ。 小嶋を怒らすと、ものすごく怖いかもしれない。 「着替えて向かうから、ちょっと待ってな」 そう返信をして、着替える。 さすがに部屋着ではまずい。 適当に近くにあった服を着て、急いで家を出る。 車のエンジンをつけて、発進する。 これは、なんだろう。 小嶋と会うのに、俺は緊張している。 怒っている女性を見ると、ビンタされた記憶が蘇る。 だから緊張しているんだろうか。 けれど、少しワクワクしている自分もいた。 なんだよ、この感じ。どうしたらいいのか分からん。 小嶋の家に向かう途中にひとつだけある信号で引っ掛かり、深呼吸をする。
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