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思っていたより呼ばれるのは早くて、5分ほどで席に案内された。 家族、カップル、友達、色んな客層が店を賑わしていた。 俺たちは、周りから見たらカップルに見えるんだろうか。 そう考えると、急に恥ずかしさが込み上げてくる。 席について、熱いお茶を一口飲んでホッとする。 こうしてたわいもない話をして、回転寿司屋で向き合っていると、本来の目的を忘れてしまいそうだった。 「本題だけど」 「……はい」 「さっきも言ったけど、何に怒ってるのか分からないんだ」 俺がそう言うと、小嶋は呆れたように深いため息を吐く。 「まあ、そうでしょうね」 「……すまん。教えてくれ」 小嶋はタッチパネルを見ながら、寿司を注文していく。 「食べながら話しましょ。サーモンとマグロでいいですか?」 自分のより先に、俺のを注文する小嶋。 「ありがと、2皿ずつ頼む。あ、茶碗蒸しも食べたい」 回転寿司屋の茶碗蒸しは、割と美味しい。 「茶碗蒸し美味しいですよね、私も食べます」
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