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「どこでも付き合う。けど、遊園地はダメだ。この世で一番苦手な場所だ」
嫌そうにする程、楽しそうに笑みを浮かべる菜奈。
なんだ、ドSかこいつ。
「でしょうね。係長……じゃなくて友哉さんってどうせ高いところも苦手でしょ?」
まだ呼び方に慣れない様子。俺も少し呼ばれる事に違和感があった。
そして、やっぱり高いところが苦手なのもバレていた。
その上で遊園地に誘ってくるのは、どういう訳だ。
「ああ、苦手だ。ジェットコースターも観覧車も全部ダメだ」
満足そうに頷いていた。益々嫌な予感が増幅する。
「だから、なおさら行きたいなーと思いまして」
「なんだその無駄なドS精神は」
「せっかくなので、友哉さんのダメダメな部分は全部見ておこうかなー的な?」
こいつ、案外性格悪いな。
一番ダメな人にビンタを目撃されてしまったかもしれない。
「的な?じゃない。ダメダメな部分なんて見たら、幻滅するだろ」
今まで付き合った彼女とも、遊園地だけは行ったことがない。
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