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気のせいですと言われたら、そうですかと納得する程度の感覚だけど、それでも俺には菜奈がいつもより楽しそうに見えた。
「まあ少なくとも、会社の外では年下ですけど、後輩ではないですからね」
言われてみれば、そうだ。
俺が係長呼びをやめてもらったのと同じように、会社の外では先輩後輩の関係を意識するのはやめた方がいいのかもしれない。
言ってみれば、ただの年下の女性だ。
「……そうだな。生意気な年下の女の子って所だ」
会社で見てた頃のイメージとは随分違う。
もっと冷たくて、笑わなくて、一緒にいて面白くないやつだと思ってた。
けれど、気が付けば菜奈と居る時が一番自分らしくいれる気がしていた。
割と近いところにある回転寿司屋なので、車で帰ると、すぐに家に着いてしまう。
菜奈のマンションの前に車を止めて、見送る為に降りる。
「ありがとうございました。美味しかったです」
「どういたしまして」
「……来週の土曜日とか、どうですか?」
何がとは言わないが、もちろん遊園地の件だろう。
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