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「……分かった。その日にしよう」 嬉しそうに微笑む菜奈。 遊園地なんて憂鬱なはずなのに、少し楽しみにしている俺がいる。 「じゃあまた来週ですね」 「ああ。迎えに行く時間はまた連絡する」 「はい、おやすみなさい」 マンションに入っていく菜奈を見送る。 少し物足りない思いを抱えながら、俺も車を出して家に帰る。 シャワーで済ます事が多いけれど、今日はしっかり湯に浸かった。 湯船に浸かりながら、濡れないように袋に入れたスマホを取り出す。 「今日はありがとう。来週、9時半くらいに迎えに行ってもいいか」 しっかりと誤字がないか推敲してから、送信する。 珍しく返信が遅く、少しだけ不安になる。 返事が来てから風呂を出ようと思っていたら、結局20分も浸かってしまった。 のぼせながら、風呂を出て返事をみる。 「はい、大丈夫です。寝坊しないでくださいよ」 相変わらず一言多いな、と思いつつ、文章を見て微笑んでしまう。 「そっちこそ、寝坊してもすっぴんパジャマで連れ出すからな」
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