6

3/33
前へ
/406ページ
次へ
社外でも、人に見られる事が増えたような気がする。 ビルのエレベーターに乗っているときでも、視線を感じる。 自意識過剰かもしれないし、気にしすぎかもしれないけれど。 お昼までは、特に変わったこともなく、時間が過ぎていく。 明日の事を考えると、どこかふわふわした気持ちで仕事をしてしまっていた。 手を抜いているわけではないけれど、いつもより処理スピードは落ちていた。 「ねえ、菜奈。今日仕事終わったらちょっと時間作って?」 お昼休憩は交代で取っている。今日はたまたま遥香と一緒のタイミングで休憩に入っていた。 「今日?」 今日はちょっとまずい。予定は空いてはいるけれど、明日早起きだから、出来るだけ早く寝たかった。 けれど、遥香が時間作ってというときは、必ず何かあるときなので、断れない。 「うん、何か予定ある?」 「いや、今日はないけど……明日早いから、遅くまでは無理だよ?」 満足そうに頷く遥香。なんの話だろう。 「よし、じゃあ仕事終わったらいつもの居酒屋に直行します!」
/406ページ

最初のコメントを投稿しよう!

540人が本棚に入れています
本棚に追加