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「そうですね、予定が終われば家に帰ります」 「じゃあその予定俺もついていっていい!?」 何を言い出すのかと思えば。いいですよと言うと思っているんだろうか。 「いいわけないでしょ。違う人ナンパしてください」 「嫌だね。俺ずっと君のこと目で追ってて、ようやく声かけれたんだもん」 「そうですか。でもそんなの私に関係ないです」 「そんな冷たい事言わないでよ。じゃあ名前教えて?」 粘るナンパ男。思っていたよりしつこい。 「嫌です」 「俺は赤田翔平」 聞いてもないのに勝手に名乗るナンパ男こと赤田。 どこまでついてくるんだろう。 「そうですか、さようなら」 少し早歩きをする。いい加減諦めてほしかった。 「ちょっと待ってよ!じゃあ名刺だけ受け取って」 小走りで追ってくるナンパ男赤田。 かすかにタバコの香りがした。一刻も早く離れてほしい。タバコは大嫌いだ。 無理矢理名刺を押し付けてくる。仕方なく受け取る。後で捨てればいいや。 「……赤田商事」 赤田商事 主任赤田翔平と書かれていた。 下の方には住所、連絡先が記載されている。
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