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ワクワクした表情の遥香。 ものすごーく可愛いけれど、逃げられない圧があった。 結局、何かあることは認めてしまった。 遥香に隠し事はできそうにない。 「んー、来週とか?」 計画性も、根拠もない来週という言葉。 これはやばい方向に進んでいるぞ、と分かっていても、今更方向転換はきかない。 「へー、来週!?よし、じゃあ来週ね!」 「あっ、ちょっと待って。やっぱり……」 「ダメです。来週しっかり問い詰めますー。今日聞かないだけでも有難いと思いなさいっ」 頑固な遥香。こうなったら、何を言っても考えを曲げない。 その後ようやく違う話題に移り、平和な食事が訪れた。 明日寝坊したら嫌だから、お酒は最初の一杯で留めておく。 お店に入って1時間、スマホが震える。 チェックすると、係長からだった。 「疲れた」 と、それだけが送られてきた。 絵文字もスタンプも、何もないそっけない文章だけど、なんだかそれが可愛く見えた。 「彼氏から連絡でしょ?」
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