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そう送った瞬間、店のドアが開いてお客さんが入ってくる音が聞こえた。
騒がしくなってきた店内で、入ってきた人なんて気にも留めない。
「あ、伊藤係長だ」
えっ?と思い入り口の方を見る。道重主任と一緒に店に入ってくる姿が見えた。
飲みにくるってこの店だったのか。まあ、会社から近いし、ありえない事じゃないよね。
遥香呼ばないでーと願っていたけれど、その願いは叶わなかった。
「伊藤係長ー」
遥香の綺麗な声はよく通る。
一度の声かけでこちらに気が付いた伊藤係長は、少し驚いた顔でこちらを見た。
道重主任に声をかけて、ふたりともこちらに気がつく。
びっくりして、何故か目を逸らす道重主任。
何やら少し話し合いをしている様子のふたりだったけれど、そのうちこっちに近づいてきた。
「お疲れ様。ふたりで女子会?」
伊藤係長は相変わらず笑顔が爽やかだ。
疲れたと言ってたのに、そんな気配がまるでない。
「はい。おふたりも一緒に飲みますか?」
「……いいの?」
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