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「なんだ9点って。何点が満点なんだ」 「10点だ」 「高評価じゃねえか、なにがしたいんだ」 「もっと自分に自信を持てって事だよ!」 綺麗に決める道重主任を見てると、モテるのは本当だなと思った。 私のせいで、ちょっとしんみりした雰囲気も、一気に笑いに変わる。 ボケたり、つっこんだり、盛り上がるのが上手だ。 もしかしたら遥香と気が合うかもしれない。 想像してたよりも、話は弾んで、お酒も進む。 気が付けばあっという間に30分が過ぎていた。 係長の方をチラッと見ると、目が合った。 どうするんだと言わんばかりの顔。 「遥香、そろそろ私帰るね」 一緒にメニューを覗き込んでいたふたりは、同時に顔を上げた。 「えー、帰っちゃうの?」 寂しそうな声を出す遥香だけど、半分以上演技が入っているに違いない。 予想以上に道重主任と意気投合してるし、私邪魔だもん。 「小嶋さん帰っちゃうの?」 「はい、明日ちょっと早いので」 「じゃあ、途中まで送ってくよ」
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