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「すみません。相談があるんだったら、私達邪魔でしたよね?」 ふたりで話したい事があったから、係長を誘ったはずなのに、私達が邪魔してしまったに違いない。 「いやそれがだな、邪魔どころか大助かりだ」 「へ?」 絶対に邪魔だと思っていたので、反応に困ってしまう。 「とりあえず、お腹空いた」 さっきの爽やかな表情は消えていて、今は疲れ切った顔をしていた。 あの爽やかさを保つのも、想像以上にしんどいのかもしれない。 「30分でお店出てきちゃいましたもんね」 それなのに1万円も出してもらって、本当に申し訳ない。 「そうだぞ、ラーメンでも付き合ってくれ」 「はい、行きましょう。私の奢りです」 私もまだお腹が空いている。ラーメンぐらいだったら全然食べれる。 「おっ、いいのか?」 「はい。さっき1万円も出してもらってますから。これぐらいは奢ります」 この近くにもラーメン屋はあったけれど、とりあえず家の最寄駅に向かうことにした。
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